episode 1
“UMAい”の正体を追い求めて
“旨さ”はどこから来るのか?
「旨い」は どこで生まれるのか
ひと口飲んだ瞬間 ふと笑みがこぼれる
「旨い!」は どこからくるのだろう
甘味?旨味?香り?バランス?
舌に残るのは 味だけではない
空気の香り 隣の笑顔 器の重さ 記憶の断片
五感を超えて 感性に触れる瞬間
それこそが “UMAい”の正体かもしれない
小さな 小さな酒蔵ならではの挑戦がある
まだ誰も言葉にしていない“旨さ”を探す
旅のはじまりを 世界へ問いかけていきたい
“UMAい”
ただの「旨い」では語りきれない感覚
あえて“UMAい”と綴る それは
・一般的な評価軸(美味しい or 美味しくない)では測れない
・説明がつかないけれど、なぜか心に残る
・ちょっとクセがあり でもまた飲みたくなる
そんな未定義で 予測できず 個人に宿る
旨さの瞬間を示す想いを込めた表現
UMAのように
“未確認だけど、ものすごく面白い”感覚
それが 私たちの追い求める”UMAい”である
“美味しい”は 言語を超える共通語
世界中で 思わず「旨っ!」と
声が漏れる瞬間がある
それは複雑に調律された味覚の結晶というより
もっと直感的で もっと人間らしい
“響き合う感覚”のようなもの
記憶に残る味があるとしたら
それは きっと ラベルではなく
風景や空気 誰かの笑顔と結びついているはずだ
伊藤酒造は そんな“共鳴”の瞬間を生む酒
そんな“語られざる旨さ”を醸す蔵でありたい
時に強く 時に儚く 時に驚きとして現れる
でも きっと共通しているのは
それを口にしたとき 誰かと「UMAいね」と
笑いあえること その瞬間こそが
世界と繋がる 最もシンプルな喜びなのです
「旨さ」とは 問い続けるもの
発酵は 問いである
ひとつとして同じ日はなく 同じ仕込みもない
米と水 微生物 そしてその年の気候
その全てが一期一会の調和を生む
そこに 私たちができることは
“問いつづけること”だけ
何が旨さにつながるのか
何を足し 何を引くべきか
「整える」のではなく 「導く」ための問い
その姿勢こそが
蔵の哲学であり 私たちの真理である
「なんか、UMAい。」
「これ、なんかクセになる。」
説明しきれないからこそ
人はそれを もう一度飲みたくなる
私たちの酒造りは
そんな“問いを仕込む”営みでありたい
UMAいは 探究の旅
私たちが酒に込めるのは
「美味しさを届ける」だけでなく
「自分の中のUMAいを広げる体験」そのもの
一滴のなかに込められた問い
それに触れた誰かが 新たな旨さの感覚を得る
それは 味覚の旅であり
感性の地図が広がっていくような体験
さあ UMAいの宝探しへ
私たちは今 まだ見ぬUMAいを探している
それは 奇をてらう味ではなく
どこか懐かしくでも新しい
自分の感性の奥底に眠っていた
“なにか”との再会かもしれない
今日も 酒蔵で生まれる新しい味わいに
その旅の可能性を感じている
“UMAい”とは何か
その問いを 自らの酒造りに重ねてきた
五代目・蔵元杜氏が 語りはじめる
手の中で生まれる 答えのなき問いへ